# 消防法違反で罰金も!非常用発電機の設置基準
非常用発電機は災害時や停電時に電力を確保するための重要な設備ですが、その設置には消防法による厳格な基準があります。これらの基準を満たさないと、罰金や是正命令の対象となることをご存知でしょうか。
## 非常用発電機とは
非常用発電機は、地震や台風などの自然災害による停電時や、電力供給が絶たれた緊急時に、建物内の重要な機能を維持するための電源を供給する設備です。特に病院や高層ビル、データセンターなどでは人命に関わる重要な役割を担っています。
## 消防法で定められた設置基準
消防法では、非常用発電機の設置について以下のような基準が定められています:
1. 設置場所の基準
– 専用の発電機室に設置すること
– 建築基準法で定める耐火構造の区画内に設置
– 避難経路から適切な距離を確保
2. 燃料の保管
– 指定数量以上の燃料を保管する場合は危険物取扱所の設置が必要
– 適切な消火設備の設置
3. 排気設備
– 適切な排気ダクトの設置
– 排気ガスが滞留しない構造
4. 点検・整備
– 定期的な点検と記録の保管
– 年次点検の実施と報告
## 違反した場合のリスク
消防法の設置基準に違反した場合、以下のようなリスクがあります:
– 最大で30万円の罰金
– 是正命令の発出
– 重大な火災や事故が発生した場合の刑事責任
– 保険金の支払い拒否につながる可能性
## 点検・整備の重要性
非常用発電機は、いざという時に確実に作動することが求められます。そのためには、以下のような定期的な点検・整備が不可欠です:
– 無負荷運転試験(月1回程度)
– 負荷運転試験(年1回以上)
– 燃料、オイル、冷却水などの点検
– バッテリーの点検
## 適切な専門業者への依頼
非常用発電機の設置や保守点検は、専門的な知識と技術が必要です。消防設備士や電気工事士などの資格を持つ専門業者に依頼することが望ましいでしょう。
一般財団法人日本消防設備安全センターでは、消防設備に関する様々な情報提供や、有資格者の紹介なども行っています。
## まとめ
非常用発電機は緊急時の命綱となる重要な設備です。消防法に基づいた適切な設置と維持管理を行い、万が一の事態に備えることが大切です。法令遵守は単なる義務ではなく、人命と財産を守るための重要な取り組みであることを忘れないようにしましょう。