# 意外と簡単？消防法資格者になって変わった私の報告業務

消防設備士や防火管理者といった消防法関連の資格を取得すると、仕事の幅が広がるだけでなく、防火・防災に関する知識が身につき、日々の業務にも変化が生まれます。特に報告業務においては、資格取得前と後では大きな違いがあります。

## 消防法資格とは何か

消防法に基づく資格には、消防設備士、防火対象物点検資格者、防火管理者などがあります。これらの資格は、建物や施設の火災予防や安全管理に不可欠なものです。

消防設備士は、消火器や自動火災報知設備などの消防用設備等の点検・整備を行う技術者資格です。甲種と乙種があり、さらに専門分野によって1類から7類まで区分されています。

防火管理者は、一定規模以上の建物に選任が義務付けられており、消防計画の作成や避難訓練の実施などを担当します。

## 私が資格を取得したきっかけ

オフィスビルの施設管理部門で働いている中で、外部の専門業者に依頼していた消防設備の点検報告について、もっと理解を深めたいと思ったのが最初のきっかけでした。

また、年に一度の消防署への報告書提出の際、記載内容について質問されても適切に回答できないことがあり、もどかしさを感じていました。

## 資格取得の過程

消防設備士の資格取得を目指し、まずは乙種第4類（自動火災報知設備）から挑戦しました。勉強方法としては、テキストと過去問題集を中心に、約2ヶ月間集中して取り組みました。

試験は実技と学科に分かれていますが、実技試験はある程度のパターンがあるため、繰り返し練習することで対応できました。学科試験は消防法の基礎知識や設備の構造・機能などの理解が求められます。

## 資格取得後の報告業務の変化

1. 点検報告書の理解度向上

資格取得前は、外部業者から提出される点検報告書の内容を表面的にしか理解できていませんでした。しかし、資格取得後は、報告書に記載された技術的な用語や指摘事項の重要度を正確に把握できるようになりました。

「連動機能」「感知器の不良」「受信機の故障」などの記載についても、具体的にどのような問題があるのか理解できるようになり、対応の優先順位づけが容易になりました。

2. 消防署とのコミュニケーション改善

消防署への報告時や立入検査の際、専門知識を持って対応できるようになったことで、消防署員との意思疎通がスムーズになりました。

質問に対して的確に回答できるだけでなく、改善案について相談できるなど、より建設的な関係を構築できるようになりました。

3. 社内での説明力向上

経営層や他部門に対して、消防設備の不具合や改修の必要性について説明する際、専門的な観点から分かりやすく伝えられるようになりました。

以前は「法律で定められているから」という説明しかできませんでしたが、今では「この設備が機能しないと、火災時にこのようなリスクがある」と具体的に説明できるようになり、予算獲得なども円滑になりました。

## 資格取得のメリット

1. 内部点検の実施が可能に

一部の点検業務を自社で実施できるようになり、コスト削減につながりました。特に日常的な点検については、外部業者を待つことなく即時対応が可能になりました。

2. 設備更新時の適切な判断

消防設備の更新時期や方法について、より専門的な観点から判断できるようになりました。業者からの提案内容を評価する能力が向上し、無駄な支出を抑えることができています。

3. 防災意識の向上

資格取得の過程で学んだ知識は、職場の防災体制の強化にも役立っています。避難訓練の質が向上し、従業員の防災意識も高まりました。

## 資格取得を検討している方へのアドバイス

消防法関連の資格は、一見すると専門的で難しそうに感じますが、体系的に学習を進めれば十分に取得可能です。

特に実務経験がある方は、現場での知識と結びつけることで理解が深まります。初めは基礎的な資格から取得し、徐々にステップアップしていくことをお勧めします。

## まとめ

消防法資格の取得は、報告業務の質を大きく向上させるだけでなく、職場の安全管理体制の強化にも貢献します。日頃から防火・防災に関わる業務に携わっている方は、ぜひ資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

知識と責任が増える分、やりがいも増し、思いがけない場面で役立つことも多いです。消防法資格は単なる資格証明以上の価値があると実感しています。